この2週間の間で、カルテットの曲を作っていました。
カルテットというのは、4人組とか、四重奏とかに訳されるもの。
ずっと曲を作っているが、あまり意識したことがなかった。
ここにきてなぜ、カルテットを作ろうかと思ったかだが、真剣に聴ける音楽を作ろうと思ったのだ。
じゃあ何のために?となるが、自分で考えて作ったもの、自分で納得がいくものというものは、コナーシャル的な楽曲ではない場合が多い。
歌が入っていないとか、流行りの音色、軽快なリズムを意識しない、それでも聴ける音楽を表現したい世界がある。
音の響きとか、機械のリズムパターンのようなものではなく、人の演奏する空気感、リズム感のある世界。
カッチっと打ち込んだものではなく、リアルタイムで弾いた臨場感が伝わる世界。
最近は修正は容易だが、あえてしないで作っていくということがテーマとなった。
初めはガイドクリックを聴きながら、ピアノをレコーディングしてみた。
最初は何か前衛的なものをイメージしていたのですが、割と具体的にメロラインが出てきたので、構成をしっかり構築を作ることにした。
作ったメロラインを聞いてみたところ、何かオーケストラのようなストリングスを入れたくなって、入れてみた。
高音域をピアノ、中低域をストリングスで表現していると、低域がピアノでは何か表現しきれないものがある。
ストリングスの低域を入れたのですが、何かしっくりこない。
続いてピアノの低音をコンプレッサーをかけて強調したのだが、何か違う。
違うという感覚は大切で、このままではしっかりとした完成に持っていけないということと、何よりも聴くいうプロダクトにならないことをいうのだと考えています。
クラシカルな曲になりつつあったのですが、弦系のベースを入れてみた。
ここでベースを入れるとチープな曲になるのではないかと思ったが逆に曲のイメージは理想に近くなった。
ベースについては、生で弾きたいのですが、どうしても鍵盤の方が表現力があるのでシンセの音色を使っている。
ベースの音色にも好みはあるのですが、アナログシンセ系のベースよりはデジタルシンセのベースが好きなところがある。
特に最新のシンセのベースはリアルすぎるのでなぜか選ばない、90年代のシンセ内蔵のベースは何かアタックのビッチが早く出るものが多く、リズムに溶けやすい傾向がある。
FM音源系のベースはもちろん好きなのだが、今回はエンソニックのVFXのベースを使った。
周りの音に混ざらなくて、存在感が出るシンセはVFXの魅力だったりする。
今回もう一つテーマがあって、昨年にYMOのメンバーの3人のうち2人の坂本龍一さん高橋幸宏さんが亡くなりました。
もうYMOの新作はきくことはできなくなった。
YMOに影響を受けたことは計り知れない。
今、YMOを3人がやったらどうなるのか?想像してみた。新作は聞けないなら自分で作ってみようという形になった。
教授はピアノ、幸宏さんは体力的なものを考慮して、TR808、細野さんは生ベースで弾きながら作っていくのではないか?
映像的にはこんな感じですね。
エンジニアに飯尾さんは欠かせないですね。
ストリングスはプロフェット5
最終的にはこの5つの映像をイメージして最終工程まで仕上げました。
こうして完成したのがカルテットの曲、FLOATING GRASSです。