坂本龍一教授のトリビュート曲を制作しました

音楽

今年、坂本龍一さんが亡くなりました。

私の中で、尊敬、敬愛しているミュージシャンで今まで亡くなった日本人はいなかった。

海外ではキースエマーソンやジョンロードは亡くなっていたが、日本人は初めてでした。

YMO、教授がいなかったら音楽をやっていないかもしれない。

大学生の4年間はYMO、教授の音楽は誰よりも聴き、研究したと言えるぐらい没頭しました。

シンセサイザーに興味が湧いて実際に作ってみたいと思うようになった。

初めて買ったキーボードはヤマハのV−50でした。

当時はデジタルシンセが中心でYMO、教授のようなアナログシンセの音はなかなか再現が難しかった。

正直近い音は出せなかった。出せたからYMOみたいな曲ができるわけではないですが、重厚なサウンドは難しい時代でした。

YMO、教授が使用していたのは以下の通りです。

プロフェット5

約170万 これがないとYMOができないぐらい使っていました。教授はお亡くなりになるまで愛用していました。排他的なサウンド、こもっているようで存在感のある音も含めて教授の音楽にしっかり合うシンセサイザーです。

アープオデッセイ

約47万 ラーディンのリード、テクノポリスのメロ、細野さんもライブ、レコーディングのベースセクションはこれが多いです。

派手でソリッドな音が作りやすく。ベースも他の音に負けない存在感が出ます。

教授もソロ弾きはよく使っていました。

ポリムーグ

約165万 初期のライブでは多用されています。

イミューレーター

1200万(家買えます!)音楽図鑑で多用されています。インタストリアルなカチッとしたサウンドが印象的です。

TR808

15万 ドラムマシーン。これは憧れました。これを持っていればヒット曲が書けると思っていたぐらい欲しかった。

VP-330

29万 ボコーダーです。TOKIO!はこれです。

MC-8

120万 シーケンサーだけでこの価格。

LM-1

100万以上 ドラムマシーンも高い

アルファーレコード STUDIO A

当時はスタジオがないとレコーディングもできません。48のテープを回してミキサーでコントロールしマスターテープを作らないといけない時代でした。当たり前ですが、全てハード製品の世界です。

つまり、音楽のシステムは家が買えるぐらいのコストがかかるものでした。

今やソフト化され  i Mac と1台のキーボードでできるレベルになってきました。

今回、教授がお亡くなりになり、私のスタジオも当時のYMOと同じものが持てるようになりました。

もう年末も近いし、今年中に、教授に送る曲を作りたいと思いました。

教授がいたから音楽をやり続けている。

こうやって教授の影響のもと音楽は作られていくことを天国の教授に届けたいと考えました。

また、この機会にYMOっぽい曲を作ってみようと考えました。

コンセプトは今YMOが曲を作ったらどういう曲になるか?に決定。

使用シンセサイザーはプロフェット5のシュミレイトしたプロフェットVを使用。

キックやシーケンスの音、メロライン、コード、SE、スネアーに至るまでプロフェットで制作。

ベースは細野さんの雰囲気をしっかり出せるようにシンコペーションをしっかりキープしながら、リズムより少し後ろのポジションで弾く。

溝おちワクワク

あたまクラクラ

下半身モヤモヤ

の細野さんの掲げたYMOのコンセプトを考えて曲を制作する。

教授がソロの曲でYMOとしてプレイしたもので、細野さんが気に入った曲となるとRiot in Ragosでした。

ヒップホップの原型とまで言われた曲は今聞いても全く古さを感じさせない曲。

制作で考えたことは、まずリズムからでした。

昔はリンドラムやTR808でリズムを組む形でしたが、今ならMacでリズムを幸宏さんが作るのではないか?

そう思ってMacBook Airでリズムを作りました。

プロフェットVで音色を作り、イントロのリズムが完成しました。

スネアはロジックのドラムとプロフェットでイチから制作。スネアだけで3時間かかりました。フィルターの開け閉めや、レゾナンスの微調整、カットオフのコントロール、エンベロープの設定などテクノは精神と細野さんが言っていたことがわかりました。根気と忍耐がないとできない音楽、それがテクノです。

ある程度リズムが出来て、今度は細野さん風のベースを入れました。ベースはスタインバーガーを持っていますが、さすがに腕が伴わないので、シンセベースにしました。

初めはムーグ系でいこう思ったのですが、HASYMOの時のライブで細野さんがRiot in Ragosで生ベースを弾いていました。アタック感が絶妙だったので、その雰囲気をどうしても出したかったので、FM系の音源で再現しました。

ベースは1週間ぐらい弾きました。これはリアルタイム入力で手弾きし、グルーブを出すことが目標でしたので、納得いくまで弾きましたが、まずまずの出来ではないかと思います。

最後に主メロですが、ノイズと旋律の間のような音色を作りました。テーマとしてはプロフェットのモジュレーションのかかった音色、揺らぎのある音色、そして最後は教授が目指したasyncの世界。同期しないような音を目指しました。

曲は3週間ぐらいで完成しましたが、マスタリングにものすごく時間がかかりました。

ポイントとしては、聞きやすくすっきりさせるか、低音やローファイ感を出してザラッとした雰囲気にするかでした。

8パターン作って、1つに絞りましたが、気に入らず、もう一回作り直して最終に出来たものに決めました。

次にジャッケットデザインを作りましたが、これはイメージが決まっていました。

ここはユーモアーで教授のソロの雰囲気にしました。

裏話ですが、B-2 UNITのジャッケットデザインは元があるのです。

これがB-2 UNITのジャケットです。

 

 

エル・リシツキーの作品にこんな作品があります。

ここから作ったと言われています。

じゃあ私もということで

こういうデザインにしました(笑)

教授が聞いたら、バラすなよ。今回の曲、こんなの音楽じゃないよ!と言われるかもしれませんが、教授がいなかったら出来てない曲なので、大目にみてください。

 

 

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