今回は海外レーベルから音楽をリリースするには?
音楽を作っていると自分の曲をリリースしたいと思ったことはないですか?
国内で音楽をリリースするとなると、まず音楽レーベルのオーディションに応募したり、実際にハードルが高いというか、顔写真を送るなどビジュアルも大切で、ある意味絵にならないといけないとか、TikTokでバズらないといけないとか、話題にならないとなかなか難しいというイメージがあります。
avexから曲を出すなんて奇跡が起こらないと無理な感じ。
曲も大手には山のようにデモ曲が送られている。聞かれるだけで難しい。
昔は、音楽といえば、スタジオ借りてレコーディングしてマスターテープを作るというイメージでしたが、家で制作した音楽が音楽の流通に入るということは非現実だったというか、そもそも音質が自宅録音では少し難しいと思っていました。
また、作曲、アレンジ、録音、トラックダウン、マスタリング、マスターテープの完成という過程を経ないと音楽は作品になりません。
家で作ったものが音楽としてのプロダクトになっていくのは、バンドでは難しい感じですが、テクノならできるという感じでした。今なら全然家で仕上げられるのですが、作品にするためには音圧が自宅では足りなかったのです。
当時、MTRにとって、CDを作るためにCDレコーダーを買いましたが現在は今ブログを書いているMacBook Airで完結できてしまいます。
自宅スタジオと、商用のスタジオは全く音のクオリティーが違っていました。トラックダウンはできてもコンプレッサーやリミッターはなかった。つまり作品のクオリティーになりませんでした。
しかし何か一人でできないか?自宅のシステムでできないかといつも考えていました。
そこに海外からデビューしたミュージシャンがいました。ケンイシイさんです。
あらゆる雑誌を読んでケンイシイさんのことを調べました。
当時インターネットがなかったので、雑誌の特集で情報を集めました。スタジオボイスというサブカルの雑誌がケンイシイさんを特集していました。
それによれば、シンセ1台で曲を作り、カセットテープに録音して送ったデモテープがR&Sレコードの社長の目に留まり、リリースが決定したとのことでした。
自宅で作ったものが世界でリリースされる、ベッドルームから世界に出たという記事でした。
写真はR&Sレコードの社長室
当時はカセットが多いですね。もともと、レコード店のスタッフだったようです。
ダンスミュージックに特化して、もともと、レンタルレコードのスタッフだった松浦勝人さんとかさなります。
この特集からは家にいながらにして、世界デビューできるとのことで、そこを何回もみました。
送られてくるデモテープの3割は日本とのことでした。
世界で受けて、日本にフィードバックされたアーティストでいえば、冨田勲さん、YMOがあげられます。
共通していることは、日本では売り込んでも売れなかった。富田さんは日本のレコード会社にもっていったけど、まず、レコード屋のどのコーナーにおけばいいかわからないといわれたようです。
海外のレコード会社にもっていくと、すぐだそうとなった。記者会見やるからということで、マスターのオープンリールを持って渡米したそうです。
日本とちがうのは、どのジャンルに置くかわからないではなく、新しいジャンルならおくところがないなら作ればいい。そう言う発想は日本は難しいようです。
どこか、自分もそうなりたいと思ってたのでしょう。
何かこれが一番自分の探していたものであることがわかりました。自分の家て作った音楽を完成形にして出してみたい。
機材を調べるとコルグM1であることがわかり、当時の価格で268000円でした。実際に手に届く値段でした。
そうして完成した曲がGARDEN ON THE PALMというアルバムでした。実際聴いてみると内蔵のシーケンサーで組まれていることがわかります。当時のシンセはエフェクターは個々にかけることができなかったので音質でわかります。
やり取りをみると、当時自分の好きだったレーベルの住所を調べて、カセットテープを郵送して、返事の手紙が来たとのことです。
通常なら、スタジオに入ってレコーディングスタジオへ入るというのが基本ですが、テクノの場合はその完成したテープを送るだけといった形でした。
実際のアルバムもM1の音を知っていれば、その質感はわかります。つまりそのままリリースしていたのでした。
そこで思ったことは
- テクノは一人で作ることができる。
- 海外は音だけで評価してくれる。歌詞がないので、音がダイレクトに伝わる。
- テクノは人種、国も関係ない。
- アイデアさえあれば作品が出せる。
- テクノレーベルはインディペンデントなところが多く、柔軟に対応できる。
- 日本特有のコネや根回しや忖度や必要のない人間関係や、自分ができないのにダメ出しや不必要に偉そうに言われることもない。
- シンプルに音がカッコよければそれで成り立つ。つまり音だけで評価してくれる。
- テクノはファッションやデザイン、出版、映像ともリンクしやすく、複数の融合したカルチャーとして、音単体ではない可能性を持っている
早い段階からプライベートスタジオに拘ってきた理由は明確でした。自分一人で音楽を制作できることを考えてきました。
細野晴臣さんが一人一レーベル単位になっていくと、いわれていましたので、テクノの世界では個人でリリースする動きも活発になったと思います。
しかし海外のレーベルに応募するというタイミングがなく、今まで来てしまいました。
しかし環境整備は必要だと感じて、電子音楽の専用スタジオであるe suite STUDIOを立ち上げました。
コンセプトはおしゃれなスタジオ、クリエイターっぽいスタジオ、シンプルでセンスの良いスタジオでした。参考にしたのは、中田ヤスタカさんのスタジオでした。一見パソコンとキーボードしかない環境でした、そこでカフェっぽいテイストも取り込みました。
環境は大切と思いました。できたスタジオはこちらです。シンセは2台まで絞りこみ、基本はソフト化をめざしました。
現時点ではクオリティーに対しては特にほしいものはありません。一応ギター、スタインバーガーのベースもはってますので、トラック制作ではいきつくところまできました。
右はe suite STUDIO 左はライターの執筆スペースのOFFICE G2023
曲を発表するためにsound cloudに登録して、初めは無料プランだったのですが、2時間しか容量がなく、コースを6時間までに変更し、時間が超えたのでアルティメイトという時間無制限のプランにしました。
年間で18000円ぐらいです。一ヶ月1500円。一回スタジオを借りたと思えば安いと思います。これで、マスターテープを作ることもなく、demoを作った時にも入れています。仮ミックスを何パターンか作っておいて聴き比べもできます。曲が60曲を超えた段階で変更しました。将来的には作った曲を入れてメディアは処分しようと思います。人に聞かせたくないのであればプライベートモードもあります。
昔バンドをやっていたとき、スタジオレコーディングパックがあったのですが、5時間で4万ぐらいかかったことを思えば安いものです。
結果的に外のスタジオは不要になっていきました。ギターもラインで取れるし、そもそもギターをあまり弾かないので。オーディオインターフェイスも必要にないぐらいです。
次にサウンドクラウドの登録をしました。
自分の楽曲を載せることが中心ですが、これからは、自分でレコードを紹介することも考えられるので、WEBのレコードショールームをやろうと考えて、e suite Recordを立ち上げました。
そこから良質の音楽を集めて紹介していこうという考え方です。そのためには自分の曲がある程度再生数が伸びないと難しいですので、あくまでもオリジナルの楽曲の発表の場でした。今は出せば100件ぐらいは再生数が取れる。日本よりは海外に聞かれる場合が多く、特にアメリカは再生数が多いです。そのうち私以外の曲も募集したいところです。
あとはロゴをデザインしたのですが、少しレコードショップをイメージしました。詳しくないのでレコード屋はできないですが。。。
ついでにロゴを考えました。完全に形から入っています。レコード盤をモチーフにしたのですが、なんとパワーポイントで作りました。YOUTUBEでロゴのデザインの作り方をやっていてそのまま作っていきました。
レコーディングソフトは、LogicPro X、音源はアートリアのV collectionで往年のアナログシンセを網羅YMOの機材はこれで揃えています 特筆すべきが1億以上したシンクラビアの音が入っていること,Komplete4は しっかりした音のMassive やDX系の音はFM8をよく使います, GRADIAITORはトランス系 ,80年代の欲しかったシンセはDegital synsationにまとめられています,マスタリングはLogic の内蔵で対応という感じです。
しかもマスターをDATやCDに残すことも無くなりました。マスターはサウンドクラウド入れて終わりです。
ある日、ふと思ったのが、YMOはもう再結成はないということでした。
今、YMOがスタジオでテクノを作ったらどんな感じになるのかということでした。
シンセはプロフェット5、細野さんは生ベース、幸宏さんは生ドラムという想定でLogicにプロフェットV、ロジックの内蔵ドラム、VFXのベースを並べました。
リズムパターンを3つ作って並べて、ベースをはめて、プロフェットでコードを入れるという作業をしていきました。
アープ2600でメロを作り。ハーモニー、裏メロをプロフェットでいれました。
頭でなっていたのは、YMOのTokyo town page、なんとなくアンビエントテクノな感じでした。
録り終わってから、ミキシング、マスタリングに時間がかかりました。
最後は何か事務所でデスクワークみたいになっていました。
数日は寝る寸前までミックスしていましたね。気絶するまでやる。。根性はないですけど。。。
そこで完成した曲はPSYCOGEOGRAPHYと名付けました。
サウンドクラウドで配信すると、あるレコードレーベルからメッセージが来ていました。
少し長い文章かな?
すみません3500文字超えたので、続きは次回です。
次回はどういうやりとりで、リリースに至ったかを書いていきます。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。